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472. 読書=『カトク 過重労働撲滅特別対策班』 [29.読書]

 新庄耕『カトク 過重労働撲滅特別対策班』(文春文庫、2018年7月)
 過重労働による健康被害の防止などを強化するため、違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導を行う過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」。2015年4月に東京労働局と大阪労働局に設置。
 死ぬほど働かなくてもいいんです-。ブラック企業が社会問題となる中、蔓延する長時間労働やパワハラ体質の企業や経営者を取り締まる労働基準監督官の特別捜査チーム。
 
「……ありがと……ざいました……て」
 係争中の過労死した東西ハウジングの社員だと伝えると、菅野の表情に狼狽の色がうかんだ。音声は、生前に社員の病室のベッドで録音されたものだった。入社当初から菅野に心酔していたというその若い社員は最後まで東西ハウジングや菅野に対して恨み節めいたことを口にしなかったらしい。
「遺族の方はこの音声を公にしなかった、いや、したくなかったようです。でも、私はこれを菅野さんが聞くべきだと思いました。菅野さんが兵隊といって切り捨てた社員のいつわりのない声です。恨んでたんじゃないんです。彼は最後まで菅野さんを信じてました」

「我々がやろうとしていることは、誰もが、少なくとも日本の国で働くあらゆる人々が安心安全快適に暮らせる社会にしたい、ただそれだけのことです。…」

 -この先も自分をだましつづけるつもりですか。

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471. 平成30年勧告による俸給表の改定(2) [8.トピック]

 今年の人事院勧告による俸給表の改定について、細かく見ていくと、本来は400円の改定と考えられる号俸の改定額が500円となっている箇所がいくつかある。

 例えば、行政(一)で見ると、2級の77号俸、93号俸、94号俸などである。これらの号俸の前後を含めて抜粋する。

<本来400円改定を500円改定としている箇所>
 号俸   現 行   改定後  改定額(改定率)
 76号俸 289,200円 289,600円 400円(0.1)
 77号俸 289,300円 289,800円 500円(0.2)
 78号俸 289,700円 290,100円 400円(0.1)

 92号俸 294,100円 294,500円 400円(0.1)
 93号俸 294,100円 294,700円 500円(0.2)
 94号俸 294,400円 294,900円 500円(0.2)
 95号俸 294,800円 295,200円 400円(0.1)

 行政(一)以外の俸給表においても、本来400円改定とすべきところ、500円改定としている箇所がある。
 これらを点検していくと、どうも間差額が100円となっている号俸の次の号俸の改定額について+100円し、間差額が最低でも200円となるように調整したのだと思われる。

 元々、間差額が100円の号俸は、基幹号俸単位での間差額、つまり標準で昇給しても昇給額が1,000円台前半となる当たりで過去の改定経緯から生じてしまっていたものだと思うが、今回、思い切って整理したのであろう。

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470. 平成30年勧告による俸給表の改定 [8.トピック]

 8月10日に平成30年の人事院による給与勧告が行われた。例によって、どのように俸給表が改定されたのか考察する。

 まず、報告から該当部分を引用する。

4 本年の給与の改定等
(2) 改定すべき事項
ア 俸給表
(行政職俸給表(一))
 民間との給与比較を行っている行政職俸給表(一)について、平均0.2%引き上げることとする。
 具体的には、総合職試験(大卒程度)、一般職試験(大卒程度)及び一般職試験(高卒者)に係る初任給について、民間の初任給との間に差があること等を踏まえ、1,500円引き上げることとし、若年層についても1,000円程度の改定を行う。その他については、それぞれ400円引き上げることを基本とする。再任用職員の俸給月額についても、この取扱いに準じて改定を行う。
(行政職俸給表(一)以外の俸給表)
 行政職俸給表(一)以外の俸給表についても、行政職俸給表(一)との均衡を基本に所要の改定を行う。指定俸給表については(略)

 それでは、行政(一)の俸給制度表を作成した上で、報告の記述内容を確認してみる。

 大卒・高卒の初任給基準である号俸については、1,500円引上げとされている。改定状況を確認すると次のとおり。
 総合職試験(大卒程度)2級1号俸 192,700円→194,000円(+1,300円)
 一般職試験(大卒程度)1級25号俸 179,200円→180,700円(+1,500円)
 一般職試験(高卒者) 1級5号俸 147,100円→148,600円(+1,500円)
 報告ではすべて「1,500円引き上げる」としているが、総合職試験(大卒程度)の初任給の引上げは1,300円である。人事院は、最後の最後で報告書の修正を漏らしたのかもしれない…。(※追記)

 若年層に適用する号俸についても1,000程度の改定を行うとしている。
 俸給制度表を見ていくと、大卒制度年齢22歳を超えた号俸から号俸を上昇するに従って改定額を1,500円から1,000円まで低減させ、改定額1,000円は大卒制度年齢29歳で終了している。
 基幹号俸について、ピックアップしておく。
  年齢 経験  1級の改定額 2級の改定額 3級の改定額
  22歳 0年 25号俸 1,500円  
  23歳 1年 29号俸 1,400円
  24歳 2年 33号俸 1,300円 1号俸 1,300円
  25歳 3年 37号俸 1,200円 5号俸 1,200円
  26歳 4年 41号俸 1,100円 9号俸 1,100円
  27歳 5年 45号俸 1,000円 13号俸 1,100円
  28歳 6年 49号俸 1,000円 17号俸 1,100円  1号俸 1,100円
  29歳 7年 53号俸 1,000円 21号俸 1,000円  5号俸  1,000円
  30歳 8年 57号俸 900円 25号俸  900円  9号俸  900円

 その他の号俸については400円引上げを基本としているので、続いて見ていく。
大卒制度年齢30歳から改定額を1,000円未満に下げ、大卒制度年齢39歳(5級以上は40歳)で500円となるよう低減させていく
 大卒制度年齢40歳(5級以上は41歳)以上は、改定額を一律400円としている。
 再任用職員の俸給月額は、一律400円の改定としている。

 平成29年4月較差改定のときは、初任給について1,000円の引上げで、 大卒制度年齢29歳まで改定額を1,000円とし、その後、大卒制度年齢35歳まで改定額を900円で引っ張っていた。今年の場合は、初任給が1,500円であった分、年齢の上昇に伴う改定額の下がり具合が早くなっている。
 一律400円改定の号俸については、平成29年改定では大卒制度年齢40歳以上は職務の級にかかわらず一律400円の改定であったが、平成30年改定では5級以上の号俸については大卒制度年齢41歳以上が一律400円の改定となっており、若干異なっている。理由はもちろん書かれてはいない。おそらく、較差を埋めるための微調整かと思う。

 ところで、昨年の全人連モデル給料表については旧教(二)が旧教育(三)より低くなった号俸があるなど、丁寧さに欠けていることを指摘した(458. 教(三)より教(二)の方が低い?(29年全人連モデル)).さて、今年はどうか?

(※追記)
 「報告ではすべて「1,500円引き上げる」としているが、総合職試験(大卒程度)の初任給の引上げは1,300円である。人事院は、最後の最後で報告書の修正を漏らしたのかもしれない…。」と書いたが、間違っていた。行政職俸給表(一)備考(二)に「2級1号俸を受ける職員のうち、新たにこの俸給表の適用をうけることとなった職員で人事院規則で定めるものの俸給月額は、この表の額にかかわらず、185,200円とする。」とある。改定前は183,700円であり、1,500円の改定でありました。ご指摘をいただきました。ありがとうございました。


 
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469. 授業準備時間にも報酬を=コマ講師 [47.「コマ給」をどう捉えるか]

 一月以上も前のことだが、2018年7月5日の毎日新聞(地方版)に公立高校のコマ講師を巡る衝撃的な記事が掲載された。

是正勧告
授業準備時間にも報酬を 東大阪労基署、府教委に3度 /大阪
 東大阪市にある府立高校の男性非常勤講師に賃金の未払いがあったとして、東大阪労働基準監督署が2017年~18年、府教委に3度の是正勧告を出していたことが分かった。府教委は非常勤講師について、準備などに要した時間に関係なく授業1コマ当たりの報酬を2860円に固定する制度(通称・コマ給)を採用しているが、労基署は労働時間に応じて対価を支払うよう求めた。府教委は勧告に従って、約20万円の支払いに応じた。
 授業教材作成などに従事した時間の対価が支払われないのは労働基準法違反だとして、非常勤講師が労基署に申告。府教委は「準備や成績評価などまで含めた対価として、コマ当たりの報酬は高めに設定している」と主張したが、労基署は認めなかった。府教委は勧告に従う一方、府立学校に2700人以上いる非常勤講師のコマ給の仕組みは維持。担当者は「管理職がすべての非常勤講師の勤務時間を管理、把握するのは難しい」と説明する。
 コマ給による未払い賃金は学習塾のアルバイト講師を巡っても問題になり、厚生労働省は学習塾業界などに改善を求めた。

 「コマ給」をどう捉えるか、をテーマに考察してきたこのノートにとっては、「ついに来たか!」との感想。ネットサーフィンしてみると、実は、2016年にも新聞記事になっていたようである。(2016年12月8日(木)朝日新聞朝刊)

講師賃金未払いで 豊中市教委に勧告
労働時間含め是正求める
 豊中市立中学校の非常勤講師1人に賃金の一部未払いがあったことが分かった。非常勤講師からの申告を受け、淀川労働基準監督署が豊中市教委を調査した。同市教委では、非常勤講師の賃金台帳に正確な労働時間数を記入していなかったことも分かり、労基署が合わせて是正勧告をした。
 市教委などによると、是正勧告は中学校で美術を教えていた非常勤講師1人対する賃金未払い(労働基準法24条違反)▽市費で採用しているすべての非常勤講師(約80人)の正確な労働時間を賃金台帳に記入していなかった(同108条違反)、とする内容。11月16日付。
 未払いがあった非常勤講師は、今年6~7月に作品の評価など、授業以外の労働に対して賃金未払いがあったとみなされた。市教委はすでに未払い分の計8万8660円を支払ったという。
 また、市教委では、非常勤講師の報酬を、準備も含めて1授業(中学校50分、小学校45分)2860円としており、賃金台帳には授業数のみ記入していた。各学校には労働時間数の報告を求めていなかったという。
 市教委は「適正な対応を取れていなかったと真摯に受け止めている。再発防止に取り組みたい」とした上で、「授業数に基づく報酬体系が否定されたわけではない」としている。

 う~ん。そうであったか。十分フォローできていなかった。
 毎日新聞が指摘するように、学習塾のアルバイト講師を巡ってコマ給による未払い賃金が問題になっていたことは知っていた。
 例えば、こんな記事がある。日本経済新聞2015年10月26日の記事。

明光義塾に是正勧告 バイト講師賃金未払いで仙台労基署
 仙台労働基準監督署は26日までに、学習塾「明光義塾」を運営する「明光ネットワークジャパン」(東京都新宿区)に対し、宮城県内の教室でアルバイト講師の賃金未払いがあったとして是正勧告をした。
 労働組合「個別指導塾ユニオン」によると、授業1コマ(90分)当たりで賃金を支払う「コマ給」という仕組みのため、前後の準備や報告書作成に対する支払いが不十分で、労基法違反と指摘された。アルバイト講師の大学院生の男性(23)が、労基署に事情を申告していた。勧告は6日付。
 同社は取材に、勧告を認め「事実関係を調査するとともに、労基署の指導に基づき誠実に対応する」とコメントした。
 男性のコマ給は1600円。授業前後の計30分間に相当する手当として1日400円が払われていたが、厚生労働省で記者会見した男性は「30分前には出勤して準備し、報告書も毎回1時間以上かかった」と証言した。〔共同〕

 続いて、毎日新聞2016年1月8日の記事。

アルバイト塾講師
授業準備も業務 賃金支払いを勧告
 アルバイト塾講師の賃金について、相模原労働基準監督署が、授業準備や報告書作成など授業以外の仕事も労働時間と認定し、半年間の未払い賃金22万円の支払いなどを学習塾に命じる是正勧告を出していたことが分かった。授業のコマ数(授業をしている時間)に応じ賃金を支払う塾業界の労働慣習が、見直しを迫られている。
 塾講師らが加入する個別指導塾ユニオンなどによると、勧告を受けたのは学習塾大手の湘南ゼミナール(横浜市)系列の「森塾淵野辺校」(相模原市中央区)。中高生を教える男子学生(19)が昨年11月、賃金不払いなどを申告した。勧告は同12月28日付。
 男子学生などによると、授業30分前に出勤し自分の授業の予習や生徒の出欠確認などを行い、休憩時間中は生徒の質問に対応。授業後は約50分間、報告書作成や塾生送り出し、清掃をする。だが、賃金は授業1コマ80分1500円でコマ数分のみ。授業以外の労働時間についても賃金の支払いを求めたが、塾側は応じなかった。
 勧告について、湘南ゼミナールは「真摯(しんし)に受け止め、誠意をもって対応したい」(広報部)としている。
 アルバイト塾講師を巡って厚生労働省は昨年3月、授業以外の準備に要する時間も労働時間として賃金を支払うよう求める文書を塾業界7団体に送った。ところが、同ユニオンによると、塾大手の明光義塾を運営する「明光ネットワークジャパン」(東京)の関係5教室でも、今回と同様の賃金未払いがあったとして労基署から是正勧告を受けたことが昨年10月に発覚。改善がなかなか進まない実態が浮かんだ。
 厚労省が昨年11月に公表した学生アルバイトに関する初の実態調査でも、アルバイト塾講師経験者の57%が、労働条件を巡るトラブルがあったと回答。「授業の準備や片付けの時間の賃金が支払われなかった」「採用時に合意した以外の仕事をさせられた」といった訴えが目立った。【東海林智、高場悠】

 やはり、というか、「コマ給90分1,600円+前後30分400円」や「コマ給80分1,500円」で授業前後それぞれ30分・1時間も拘束されたら、時給は実質的に500円~666円となり最低賃金を割り込んでしまう…。塾講師の実態は、ひどいと言うほかない。

 毎日新聞の記事には「厚生労働省は学習塾業界などに改善を求めた。」とある…。

 厚生労働省神奈川労働局が「学習塾における講師等の労働条件の確保・改善のポイント」と題する4ページもののパンフレットを作成している。少々長いけれども、前半部分を丸ごと引用する。

 神奈川労働局においては、これまで、学習塾経営事業者に対して、講師等の労働条件の確保を中心として監督指導等の実施を行ってきましたが、学習塾の中には、「授業の1コマ」等を単位として賃金額を決定し、講師に支払う賃金形態(以下「コマ給」といいます。)があることなどを原因として、賃金不払等の労働基準法違反が生じているなどの問題が認められました。
 学習塾における講師等を使用される事業者の方々を始めとして学習塾事業に携わる皆様には、このパンフレットをご活用いただき、講師等の労働条件の確保・改善に取り組んでいただきますようお願いします。

1 労働条件の明示について(労働基準法第15 条及び労働基準法施行規則第5 条)
 講師等と労働契約を締結した際、法定の労働条件について、書面で交付する必要がありますが、この際、時間給やコマ給により賃金が支払われる学生アルバイト等については、特に以下の事項に留意する必要があります。
【従事すべき業務を具体的に明示しましょう】
 主たる業務である授業のほか、授業以外で想定される具体的な業務内容を可能な限り記載しましょう。
【労働条件通知書への記載例 ※下線部は、特に明示すべき事項。】
A 授業
B 授業の準備・片付け、生徒からの質問・相談対応、テスト監督・採点、報告書作成、スケジュール作成・管理、システム入力、ミーティング、テキスト等作成、生徒・保護者との面談、保護者への連絡、販売促進活動、講師研修、朝礼・終礼、生徒の出迎え・見送り、清掃、戸締まり 等
【従事すべき業務に対する時間単価を明示しましょう】
 授業時間に対する時間単価と授業以外の労働時間に対する時間単価が異なる場合は、具体的に明示した業務に対応する時間単価をそれぞれ明示しましょう。
なお、学習塾の中には、授業の1コマ等の単位を基礎として労務管理を行っている場合もありますが、
 その場合であっても、授業時間に対する時間単価を明示しましょう。
 ただし、以下1~4の事項をいずれも満たす場合に限り、コマ給を時間単価に換算した賃金額を併記した上で、1コマ当たりの時間数及び賃金額を明示することは差し支えありません。
  1.従事すべき業務が具体的に明示されていること。
  2.コマ給に含まれる業務が明示されていること。
  3.従事すべきそれぞれの業務に対する時間単価が明示されていること。
  4.時間単価の異なる業務ごとに労働時間が把握されていること。
【労働条件通知書への記載例(時間給等の場合) ※下線部は、特に明示すべき事項。】
1.原則
・授業給 時間額 ◎◎◎円
・業務給 時間額 ◆◆◆円(「従事すべき業務の種類」のBに掲げる業務)
※ ただし、生徒からの質問・相談等により授業が延長した場合は、授業給◎◎◎円で支払う。
2.コマ給(授業時間のみに対してコマ給を設定)の場合 注:□□□円=○○○円÷80 分×60 分
・授業給 1コマ80 分 ○○○円(時間額□□□円)
・業務給 時間額 △△△円(「従事すべき業務の種類」のBに掲げる業務)
※ ただし、生徒からの質問・相談等により授業が延長した場合は、当該時間に対し時間額□□□円
で支払う。
3.コマ給(授業時間及び付随業務に対してコマ給を設定)の場合 注:■■■円=●●●円÷100 分×60 分
・授業給 1コマ100 分 ●●●円(時間額■■■円)
※ 1コマは、授業80 分と準備10 分、片付け10 分で合計100 分とする。
・業務給 時間額 ▲▲▲円(「従事すべき業務の種類」のBに掲げる業務)
※ ただし、生徒からの質問・相談等により授業が延長し又は準備、片付けにより100 分を超えた場合は、当該時間に対し時間額■■■円で支払う。

2 労働時間について(労働基準法第32 条、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)
 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に基づき、適正に労働時間を把握してください。
【労働時間の適正な取り扱いを徹底しましょう】
 労働時間とは、使用者の指揮監督の下にある時間をいい、授業を行っている時間に限るものではありません。特に、次のような時間について、労働時間として取り扱っていない例がみられますが、労働時間として適正に把握、管理する必要がありますので留意してください。
 使用者の指示により実施する授業前の準備時間、使用者の指示により実施する授業後の報告書等の作成時間、生徒からの質問対応時間、テキスト作成時間、研修等を行う時間、休憩時間に、生徒からの質問に対応する時間、休憩時間とされていても実際には使用者の指示により質問対応のために待機している時間、等
【労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録を行いましょう】
 労働時間と判断した時間を適正に把握するため、始業・終業時刻の確認・記録に当たっては、原則として、
 1 使用者が、自ら現認して、
 2 タイムカード等の客観的な記録を基礎として、
確認・記録を行いましょう。
 また、書面において明示したそれぞれの業務に対する時間単価が異なる場合は、賃金を適切に支払う観点から、時間単価が異なる業務ごとに、労働時間を把握する必要があります。
(以下、省略)

 極めて具体的な指導内容が示されている。労働基準法の規定を踏まえるならば、このような指導内容となるのは当然だろう。
この内容を公立学校の講師に当てはめられると現状では直ちに対応できないのではないかと思うが…。しかし、大阪府内の公立高校では労働基準監督署が是正指導しているのだ。全国の教育委員会の担当者の皆さん、大丈夫ですか?
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468. 文部科学省若手職員が疑問に答える [29.読書]

 高橋洋平/栗山和大『改訂版-文部科学省若手職員が学校管理職の疑問に答える-現代的学校マネジメントの法的論点 厳選10講』(第一法規、2018年4月15日改訂版発行)

 「はじめに」から抜粋
本書は、そのような学校マネジメントにおける課題の中で、
○ 学校現場の管理職を中心とした学校関係者が、主に法令の観点からの判断が求められる課題に関し、肩に力を入れることなく、気軽に読んででいただける入門書とすることを特に意識して、第1講から第10講までの問題の解説はもちろん、昨今議論となっているテーマや、発展的内容のテーマについても、会話形式やコラム形式を用いて、わかりやすい解説に努めたもの
○ 頻出かつ現代的な課題を精選して取り上げるとともに、法令の観点からの解説を中心として、課題の背景や関連する教育政策とのリンクについても解説したもの
となっています。

 第1講から第10講のテーマは、次のとおり。
第1講 教育関係法令の基礎知識(入門編)
第2講 教育委員会や地域との関係・連携
第3講 PTAが主催して学校や教員とともに行う補習授業
第4講 部活動における学校事故に対する危機管理
第5講 土日や祝日における授業や運動会の実施
第6講 教員以外の多様な専門スタッフのマネジメント
第7講 教員の「心の病」への対応
第8講 子供への指導が不適切などの問題のある教員への対応
第9講 制限される政治的行為の判断
第10講 学校現場における職員団体への対応

 入門書ということだが、しっかりと法的論点が押さえられているので、学校管理職だけでなく、教育委員会事務局職員にも読んでほしいと思う。

 教員給与に関わっては、第5講のCOFFEE BREAKで「教職調整額と超勤4項目」が取り上げられている。中教審の教職員給与の在り方に関するワーキンググループ第10、11回(平成18年12月)資料等を出典に挙げて、歴史的経緯も含めた制度の平易な解説から初めて、中教審の「学校における働き方改革特別部会」で検討が行われているところまで著者二人の会話が続く。

 COFFEE BREAKでは二人の掛け合いの形で議論が深められていくのだが、著者たちの誠実な人柄や教育行政に対する熱い思いがにじみ出ていて好感が持てる。高橋氏は昭和57年生まれ、栗山氏は昭和60年生まれの30歳台。文部科学省を支える将来の幹部職員となられることだろう。


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467. 公務員法と労働法の交錯 [29.読書]

 小嶌典明・豊本治『公務員法と労働法の交錯』(ジアース教育新社、2018年3月)
 小嶌氏は、大阪大学名誉教授で、労働法、公務員法等が専攻分野。規制改革委員会の参与等として雇用・労働法制の改革に従事されたと紹介されている。

 まえがきに、「公務員法がわかれば、労働法の理解も深まる。本書は、こうした編者が共有する考え方から誕生した。」とある。目次をみると、「民間とは異なる退職手当の仕組み」、「労働関係法令は適用除外が原則」、「無理のある行政機関への派遣法の適用」…。地方公務員への労働基準法の適用の章では、「労働基準法の原則適用と国家公務員準拠」、「労働基準法適用の限界」…。臨時・非常勤職員にかかわる章でも面白そうな項目がずらりと並ぶ。

 初出はいずれも『阪大法学』であり、学術誌だけにマニアックである。知らなかったことも多々あり、「そうだったのか!」と思わせる記述が盛りだくさんである。「臨時・非常勤職員制度がわかれば、公務員制度の理解が深まる。」と思っていたものだが、違いに着目しながら細部に分け入っていくことで、格段に理解が進むのである。勉強になります。
 小嶌氏の著書で『法人職員・公務員のための労働法72話』(ジアース教育新社、2016年1月)・『法人職員・公務員のための労働法判例編』(ジアース教育新社、2016年2月)も面白い。併せて、お薦めです。

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466. 教員給与を能力重視に(その後Ⅱ) [8.トピック]

 2018年4月27日付けの「内外教育」誌に次の記事が掲載されている。

「◎教諭初任給、月2万9000円上げ
 大阪市は2019年度から、市立小中高校教諭の初任給を月額で約2万9000円引き上げる。市教委によると、全国の都道府県と政令市で最高額になる見込みで、大卒新人の小中学校教諭は26万1306円になる。
 引き上げるのは、給料月額と教職調整額、地域手当を合わせた月額給与。団塊世代の退職に伴い大量採用が続く中、優秀な人材を確保するのが狙いだ。同市の教諭の初任給は18年4月時点で政令市20市の中で11番目で、大阪府や京都市、神戸市より低い。
 新人教諭の給与が2年目以降の教諭を上回らないよう、2~4年目の給与を増やして対応する。勤続4年目までは初任給と同額の給与で、5年目から昇給する仕組みとする。19年度の採用予定者約650人と合わせて計1180人程度が増額の対象で、人件費は年間約1億5000万円増える見通しだ。
 引き上げに必要な財源は、市教委の予算内で捻出する方針。財源のめどを付けた上で、市は来年の2月議会に条例改正案を提出する予定だ。」

 大阪市といえば、「教員給与を能力重視に」ということで、このノートで過去2回取り上げた。(「427.教員給与を能力重視に、大阪市教委」、「440.教員給与を能力重視に(その後)」)
その後のその後が気になるところだが、先に内外教育の記事について、大阪市の現行の給与条例で確認しておこう。現行の高等学校等教育職給料表と小学校・中学校教育職給料表では給料月額が微妙に違うので、両方確認しておく。

 高校教諭の大卒初任給は2級9号給、小中学校は2級17号給なので、これを基準に考察してみよう。地域手当は、16%。
 (高校教諭)
  初任給 2-9 192,700円+7,708円+32,065円=232,473円
  2年目 2-13 199,400円+7,976円+33,180円=240,556円
  3年目 2-17 207,600円+8,304円+34,544円=250,448円
  4年目 2-21 216,600円+8,664円+36,042円=261,306円
 (小中学校教諭)
  初任給 2-17 192,900円+7,716円+32,098円=232,714円
  2年目 2-21 199,600円+7,984円+33,213円=240,797円
  3年目 2-25 207,800円+8,312円+34,577円=250,689円
  4年目 2-29 216,900円+8,676円+36,092円=261,668円

 ん? 内外教育の記事では「大卒新人の小中学校教諭は26万1306円になる」とあるけれど、もしかして給料表を取り違えているのかもしれない。
 いずれにしても、現行初任給基準の号給の号数に4号×3年=12号を加算した号数の号給を初任給とし、3年間は昇給しないということを考えているのかもしれない。

 さてさて、その後のその後はどうなったのか。
平成30年2月説明会の資料が存在するので、内容を見ておこう。資料は、「権限移譲にかかる教職員の給与制度等について(主務教諭等)【施行日:平成30年4月1日】」と題するものである。

 「1 給料号給等」には、高等学校等教育職給料表及び小学校・中学校教育職給料表の新旧対照表が掲載されている。
 これによると、2級の号給について、教諭に対してはこれ以上昇給できない上限号給が設定され、主務教諭に任用されると更に昇給できる仕組みとしている。
それぞれ号給と給料月額を抜粋しておく。

(1) 高等学校等教育職給料表
  改正前 【2級】教諭等 1号給175,600円~149号給409,100円
  改正後 【2級】教諭等 1号給175,600円~65号給327,500円
        主務教諭等 41号給269,700円~149号給409,100円
(2) 小学校・中学校教育職給料表
  改正前 【2級】教諭等 1号給159,200円~161号給400,900円
  改正後 【2級】教諭等 1号給159,200円~73号給327,900円
          主務教諭等 49号給270,000円~161号給400,900円

 主務教諭に適用する新たな職務の級を設けることなく、2級の号給の適用範囲を定めるというのは、どう理解すればよいのか。
 職務の級は同じであるから、主務教諭と教諭は、職務の複雑さと責任の度合いが基本的には同程度であるということになる。主務教諭も学校教育法上は同じ教諭であるという位置づけであろうから、当然かもしれない。
 副校長と教頭では職責が異なるが、同じく3級が適用されることを踏まえると、この場合とほぼ同じとの考えも成り立つかもしれない。しかし、教頭だから3級に上限号給が設けられるという考え方は、どこも採用していないのではないか。教諭だから上限号給を設けることの制度上の正当な理由が想像できない。

「2 主務教諭等任用時における昇給等の取扱い」とあり、次の記述がある。
(1) 教諭等として昇給 → 主務教諭等に任用(昇格メリットは発生しない)
 教諭、養護教諭、栄養教諭、教諭(指導専任)又は総括実習助手(以下「教諭等」という。)が、4月1日(昇給日)に主務教諭、主務養護教諭又は主務栄養教諭(以下「主務教諭等」という。)に任用される場合、教諭等としての昇給(教諭等としての上限号給が適用される。)した後に、主務教諭等として任用される(任用後に受ける号給は、教諭等としての昇給後の号給)

 主務教諭に任用されたとしても、昇任ではあるのかもしれないが、昇格はしない。従って、昇格メリットはない。けれども、最高号給まで昇給できる可能性が生まれるということらしい。元々、大阪市教育委員会は能力主義で給与制度を運用したいという考えであったと思うが、結局、教諭と主務教諭の職務と責任の違いについて、人事委員会をはじめ関係者に対して職務給の原則を踏まえた説明ができなかったということなのではないだろうか。それにしても、よく理解できない…。

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465.地方公務員の給与決定に関する調査研究報告書 [8.トピック]

 平成30年3月、一般財団法人自治総合センターから「地方公務員の給与決定に関する調査研究報告書」が取りまとめられた。調査研究の問題意識について、次のとおり述べられている。

 「地域における国家公務員の給与水準を目安とするための比較にあたってはラスパイレス指数を用いることが適当とされているところですが、近年、このラスパイレス指数が漸増傾向にあり、その要因分析が喫緊の課題となっています。
このような状況を踏まえ、今後の地方公共団体の給与決定に際して、その参考に資するため、人事委員会の勧告、国と異なる独自の給料表、職員構成における上位級比率等について調査研究しました。」(はしがき)

 国と異なる独自の給料表に関しては、まず、次のように述べる。
 「国の俸給表と異なる独自の給料表は、大きく分けて、国の俸給表の構造を援用しつつ、水準について独自の調整を行う「水準アレンジ」型と、国の俸給表とは級や号給の構成が異なる「構造アレンジ」型の2種類に分類することができる。」
そして、特徴ごとに次のとおり分類する。

<独自の給料表の種類>
①水準アレンジ
・国の行政職俸給表(一)に一定「額」を加減したもの
・国の行政職俸給表(一)に一定「率」を乗じたもの
②構造アレンジ
・国の行政職俸給表(一)の最高号俸を超える月額区分を定めた「継足」(国準拠継足と独自継足)
・国の行政職俸給表(一)の最低号俸を下回る月額区分を定めた「下駄履き」(国準拠下駄履きと独自下駄履き)
・国の行政職俸給表(一)の最高号俸又は最低号俸を「縮減」したもの(高位号給縮減と低位号給縮減)
・複数の級を合わせて1つの級に「合成」したもの
・1つの級を複数の級に「分割」したもの
※上記②のいずれにも当てはまらない、国の俸給表とは級や号給の構成が異なる給料表を「独自構造」とする。

 続いて、給料表カーブの分析結果を説明しながら、問題意識を述べる。項目のみ掲載する。
① 特定の級の給料表カーブ単体でみた際に特徴的であるもの
(ⅰ)水準調整
(ⅱ)継足
(ⅲ)高位号給の非フラット化
(ⅳ)号給過多
② 複数の級の給料表カーブの関係性からみて特徴的であるもの
(ⅰ)級間の重なり
③ 職制上の段階という観点からみた際に特徴的であるもの
(ⅰ)職制上の段階について、国との対応関係が明確である場合
(ⅱ)職制上の段階について、国との対応関係が必ずしも明確でない場合
④ 職務給の原則という観点から特徴的であるもの
(ⅰ)高位の級における合成
⑤ 独自の給料表を適用しているが、ラスパイレス指数が低い団体
(ⅰ)独自の給料表を適用しているがラスパイレス指数が低い団体
(ⅱ)ラスパイレス指数を低くするために給料表を改善した団体
⑥ 給料表カーブの特徴が掴みづらいもの
⑦ ラスパイレス指数が高いが、給料表カーブに特徴が認められないもの

 「独自の給料表の構造がラスパイレス指数の上昇又は高止まりの要因の一つとなっているとの推定のもと、(略)独自の給料表が構造的に抱える問題点を分析し、その特徴ごとに指摘を行った。」と述べ、53ページ以降には、独自の給料表の給料表カーブを国の俸給表のカーブと比較して分類ごとの特徴を示している。
 これらを見ると、縦軸は給料月額なのだが、横軸は「昇給」となっている。この方法だと、①~④(又は⑤)までは単純に比較できて特徴もつかめるだろうが、全く独自の給料表を作成している場合には、比較が困難であろう。俸給表は、俸給表の運用を前提にして作成されるものであることを踏まえると、やはり、俸給制度表を作成して重ね合わせ、比較すべきだろうと思う。横軸に「昇給」を置いて初号の位置を単純に合わせて比較するのではなく、その初号の制度上の位置を確認し、相互のずれを反映させて比較すべきであり、横軸には級別の資格基準となる「経験年数」を置くべきではなかったか。ラスパイレス比較をする際には、学歴及び経験年数を合わせるではないか。そうした観点からすると、今回の研究会の給料表に関する分析には不十分さを感じる。


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464. 教員の働き方-1年間の変形労働制 [8.トピック]

 2018年3月16日付けの「内外教育」誌に「1年間の変形労働制を軸に検討-働き方改革で小川中教審部会長が表明」との見出しを付けた記事が掲載された。

「中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」の部会長を務める小川正人放送大学教授は9日、東京都渋谷区内で開催された「教育の情報化推進フォーラム」の中で講演し、教職員の勤務体制の在り方について、1年間の変形労働制への移行を軸として検討を進めたい考えを表明した。」

「…2月に開かれた部会では、今後議論すべき論点として①学校の組織運営体制の在り方について②学校の労働安全衛生管理の在り方について③時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方について-が示された。これについて小川部会長は、①は夏ごろにまとめて概算要求と法令改正に反映させるとともに、②③は「かなり大幅な法令改正」を伴うため年内に結論を出したい考えを示した。」

 気になったのは、次の箇所。

「現在、教育公務員を含む地方公務員は1年間の変形労働時間制が適用除外となっているが、小川部会長はこれを認め、繁忙期と閑散期で業務のめりはりをつけたい考えを示した。文科省が昨年12月の緊急対策で示した通り年間360時間の時間外労働を上限とすれば、3分の1程度を夏季休業中などにまとめ取りさせ、残りは現行(1カ月単位の変形労働制)に従って月1~2日の休暇で消化させる。ただし…」

 「年間360時間の3分の1程度を夏季休業中などにまとめ取り」とある。学年末・学年始の休業期間は外して考えると、120時間分を2か月程度で消化するということになる。120時間といえば、120時間÷7時間45分=15.48…→約15.5日となる。平日は週5日なので、約3週間にわたって勤務時間を割り振らないことになると考えられる。
 そして、「残りは月1~2日の休暇で消化させる」とある。残りは240時間÷7時間45分=30.96…→約31日となる。ん? 1年間から2か月を引くと10か月だから、約31日÷10か月=3.1日となる。「月1~2日の休暇で消化」とは計算が合わないのではないだろうか? 計算が間違っているのか…? よく分からない…。

 しかし、そもそもである。文科省が実施した教員勤務実態調査では、1か月の時間外勤務に換算すると、小学校で約70時間、中学校では約93時間にも及んでいる。この調査は平成28年の10月及び11月の1週間について調査したものであるので、夏季休業中には残業がほとんどないであろうということを考慮して年間の残業時間を想定すると、少なく見て約10倍すればよいことになる。そうすると、小学校で年間約700時間、中学校では年間約930時間となる。そもそも年間360時間を上限として考えているのだが、前提としてまず、小学校で残業を半分に、中学校では6割減を実現しなければならない計算になる。

 1年間の変形労働時間制に移行するにしても、前提として相当な努力をして残業を減らさなければならないし、夏季休業中の研修や会議を減らさないといけない。
 それに、各種の競技大会を開催しないなどということが果たしてできるのだろうか。更には、教科等の研究会はどう考えるのか。課業期間中に開催すれば授業に支障がでるからこそ、長期休業期間中に開催するのであろう。それとも、昭和41年調査のように、職務ではないとして整理するのだろうか。地公法35条の規定に照らせば当然なのかもしれないが、現場実態には合わない。

 さて、中教審特別部会でどのように議論が進んでいくのだろうか。要注目です。


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463. 「過労」教員 働き方変える [8.トピック]

 1月16日の読売新聞「編集委員が迫る」のインタービューで、中教審特別部会の小川正人部会長を取り上げている。見出しは、「「過労」教員 働き方変える」。記事の終わりの方に「給特法」の見直しの方向性に言及している。

 「時間外勤務手当の代わりに支給されている手当は、国と地方を合わせて1500億円ほどだ。もし、今の時間外勤務の総時間に合わせて手当を支給したら、総額3兆円程度という試算もある。膨大な『ただ働き』の上に今の学校教育があるとも言える。」
 - 給特法見直しの方向性をどう考えるか。
 「ポイントは『自発的行為』とされている仕事の時間外勤務分をどう把握し、それをいかに抑制するかだ。その上で、時間外勤務分をお金で払うのか、休暇取得にあてるのかを検討する。まずは条文に、校長らに勤務時間管理の責任があることや、適切な時間管理をすること、時間外勤務の上限規制などを加え、改正すべきだと思う。」
 「時間外勤務については、一定の割合分は増額を含めた教職調整額や手当で対応し、それ以上の分については、働き過ぎの健康被害から守るために休暇を取得させることなども検討に値する。今後の中教審でぜひ、議論を深めたい」

 新聞記事だけで何かを述べるのは危険だが、給与に関して言えば、小川氏の話からすれば、教職調整額を時間外勤務手当に変更する選択肢はなく、時間外勤務の一定の割合分は教職調整額と特殊勤務手当の増額で対応する方向で検討する方向にあるようだ。どのような議論になっていくのか、目が離せない。

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